親と養育者のための「ウォッチ・ミー・プレイ!」簡易ガイド
ウォッチ・ミー・プレイ!は、8歳までの赤ちゃんや子どもを、親や養育者が手助けするシンプルな方法です。皆さんは赤ちゃんや子どもと仲良くなり、一緒に楽しむことができます。
植物が太陽を必要とするように、赤ちゃんや幼児は、成長するために注目を向けられる必要があります。たとえ短い時間であっても、あなたのすべての注目を得ることで、子どもは落ち着きを取り戻すことができます。
遊びは、子どもが養育者のことを身近に感じたり、学んだり、成長する上で役立ちます。子どもの遊びを見ているだけで、その子が今、何が好きで、何に興味があるのかがわかるでしょう。遊びについて子どもと話すことは、子どもが世界を理解する助けになり、また、自分の考えやアイディアが養育者にとって大事なものであるということも伝わります。
必要なのは、単純なおもちゃや材料、時間、そして子どもの遊びについて話せる相手だけです。次の5つのステップは、親子が一緒に過ごす時間を楽しむことを目標としています:
1. 準備
2. 赤ちゃんや子どもが主導の遊び
3. 子どもの遊びを見守る
4. 遊びについて赤ちゃんや子どもに話しかける
5. 他の大人と子どもの遊びについて話す
1. 準備
5分から20分ほど、赤ちゃんや子どもに全ての注目を向けられる時間を見つけましょう。まずは短い時間から始めてみましょう。5分でも効果があります。
おもちゃや本、材料を5、6個選びましょう。壊れたり、傷ついたりするものを子どもが投げる場合は、柔らかいおもちゃを出しましょう。
ウォッチ・ミー・プレイ!の時間には、テレビ、パソコン、電話の電源を切り、電池式や電子式のおもちゃをしまっておきましょう。
子どもが想像力を働かせるような、シンプルなおもちゃを試してみましょう:
箱、容器、プラスチックや木製のスプーン
赤ちゃんの人形、テディベア、ぬいぐるみ、小さな木の人形
おもちゃの動物、電車、車、ボート
毛布、クッション
柔らかいボール
プラスチックの粘土
おもちゃの電話、プラスチック製のティーセット
無地の紙、クレヨン、フェルトペン
フィンガーペイントまたは絵の具と筆
絵本や布絵本
何が年齢に合っているか、何が安全かわからない場合は、保健師や保育士など、子どもをよく知る専門家に相談しましょう。赤ちゃんと一緒にくつろいで座るか、床や子どもの近くに座りましょう。子どもの遊びをいつまで見守るのか、子どもに伝えてください。
子どもが新しい遊びに移れるように、一緒に歌を歌ったり、次にすることを話したりして、ウォッチ・ミー・プレイ!の時間が終わる準備をしましょう。次回のウォッチ・ミー・プレイ!のために、おもちゃをどのように保管しておくかを教えてあげましょう。
2. 赤ちゃんや子どもが主導の遊び
赤ちゃんや子どもに自由に遊ばせ、自分で選ばせましょう。安全である限り、好きなおもちゃを好きなように使わせて、探索させましょう。
赤ちゃんが疲れたり、おなかがすいたり、休憩が必要なときは、その様子を見守ってあげましょう。赤ちゃんが周りを見回したり、あなたを見たりする時間を作りましょう。
ウォッチ・ミー・プレイ!の時間中は、子どもに何かを教えたり、間違いを直したりしないようにしましょう。子どもが遊びに参加したいと言ってくるのを待ちましょう。子どもから遊びに参加してほしいと誘われたら、自分のアイディアを持ち込むのではなく、子どもの指示に従うようにしましょう。片付けは、ウォッチ・ミー・プレイ!の時間が終わるまで待ちましょう。
3. 子どもの遊びを見守る
ウォッチ・ミー・プレイ!の時間中は、赤ちゃんや子どもに十分な注目を向けましょう。赤ちゃんの視線がどこに行くのかを見て、赤ちゃんが何を欲しがっているのか、考えてみましょう。赤ちゃんの視線を辿ることで、赤ちゃんが今何に興味を持っているかがわかります。赤ちゃんが目をそらしたり、泣き出したりしたら、疲れているか、休憩が必要なのかもしれません。
子どもがすることなら、それが何であれ、興味を示しましょう。あなたの顔を見たり、触ったり、おもちゃを動かしたり隠したりすることは、赤ちゃんや子どもと話すことができる遊びの一つです。子どもは遊びの中で同じことを何度も繰り返します。 子どもの邪魔をしたり、携帯電話を使ったりしないようにしましょう。子どもが遊んでいる間に、何が起こるかを見守ってください。子どもがあなたに対してどのような反応を示すかに注目してください。
4. 遊びについて赤ちゃんや子どもに話しかける
子どもがしていることについて、話しかけてみましょう。赤ちゃんが発する音に耳を傾け、時々新しい音を加えてあげましょう。赤ちゃんが笑ったら、笑い返したり、喜びや驚きを表現しましょう。赤ちゃんが見ているものについて、何か言ってあげましょう:「お外を見てみたいのかな?」
赤ちゃんや子どもがしていることについて、笑顔で話しかけ、興味を示しましょう。子どもが考える時間を作ったり、次のアイデアを待つために、少し沈黙を作りましょう。
5. 他の大人と子どもの遊びについて話す
子どもの遊びは楽しいものですが、時には見守るのがつらくなることもあります。赤ちゃんや子どもの遊びについて、他の大人と話し合うことで、子どもの遊びをより楽しむことができ、また心配なことや懸念を共有することもできます。家族や友人、あるいは保健師や医師、保育士など、子どもをよく知る専門家に相談してみましょう。
子どもについて心配なことがある場合は、子どもが遊んでいるときに何が起こっているのか、また、あなたが関心を持ったときに子どもがどのように反応するのかを見てみましょう。あなたが気づいたことは、子どもに特別な支援が必要かどうかを判断する上で役立ちます。また、子どもが遊んでいるのを見ているときに、自分がどう感じているかを話したり考えたりすることも、子どもに何が起こっているのかを理解するときに役立つことがあります。
保護者・養育者の皆様の言葉
「今日家に帰ったらやってみよう」
「変化が生じるまで時間がかかりましたが、今ではたくさんの変化に気づくことができます」
「赤ちゃんがいつ遊びたいと思っていて、いつ休みたいと思っていて、いつ抱っこして欲しいと思っているかがわかってきました」
「こんなふうに遊ぶと、息子は落ち着きます」
「娘は前より色々なものを見るようになり、音を出すようになりました」
「娘とただ一緒にいることが、どうして大事なのかが理解できました」
「自信を持てるようになりました」
「娘がもっと笑うようになりました」
キーポイント
子どもが遊ぶ姿を見守ることは、絆を深めることにつながります。
自由に遊ぶことは、子どもの発達と学習を促進します。
あなたが興味を持っていることを示すことは、赤ちゃんや子どもの集中する力を高めます。
大人が一緒に考えることで、子どもは安心感を得ることができます。
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「ウォッチ・ミー・プレイ!」の資料は、個人は非営利団体が無料でダウンロードし、家族や友人、同僚と共有することができます。ただし、改変せず、無償で配布される場合に限ります。
より多くの資料や翻訳をこちらでご覧いただけます。
地域によっては、子どもや家族のための支援や、幼児教育の現場でトレーニングを受けた「ウォッチ・ミー・プレイ!」の実践者が、養育者と一緒に子どもの遊びを眺めたり話し合ったりして支援することができます。「ウォッチ・ミー・プレイ!」は、ご家庭、児童館、クリニック、オンラインで実施することができます。お住まいの地域で、こうした支援をお探しの方は「リンク」のセクションをご覧ください。
よくある質問
1. 「ウォッチ・ミー・プレイ!」を私の孫におこなったり、保育園でおこなったり、あるいはベビーシッターとしておこなうことはできますか?
はい、できます!定期的に子どもと一緒にいる大人は誰でも、「ウォッチ・ミー・プレイ!」をして、子どもの発達を促すことができます。
2. 子どもが何歳になったら私と「ウォッチ・ミー・プレイ!」ができますか?
「ウォッチ・ミー・プレイ!」は、生後数週間から、8歳ごろまでおこなうことができます。遊びの種類は子どもの年齢によって変わります。 眉毛や舌を動かしたり、音を出したりして大人のまねをする遊びは、かなり小さな赤ちゃんであっても楽しめる遊びです。赤ちゃんが目をそらしたり、無表情になったり、泣いたりしたときは、次の遊びができるようになるまで、少し「休む時間」が必要かもしれません。
人形や小さな動物のおもちゃでの遊びを通して、幼い子どもたちは自分の感情を表現したり、アイデアを試したりすることができます。役割を演じるゲームは、想像力や言葉、順番で行うなどの社会的スキルを発達させます。どの年齢の子どもであっても、子どものペースや興味にあわせて一緒に本を見たり読んだりすることができます。年長児であれば、「ウォッチ・ミー・プレイ!」の時間に絵をかいたり、色を塗ったり、何かを作ったりすることもあるでしょう。
3. 2人の子どもと一緒に「ウォッチ・ミー・プレイ!」をしてもいいですか?
「ウォッチ・ミー・プレイ!」は子どもが親や養育者から途切れることのない注目を向けられることを楽しむものであるため、1度に一人の子どもにしかできません。
1対1でのかかわりが、子どもの集中力や、コミュニケーションの能力を高めます。2人以上の子どもがいる家庭では、他の子どもが何か別のことをしている間に、たとえ5分か 10分でもいいので、それぞれの子どもとだけの短い時間を作ってあげると良いでしょう。たとえ、こうした短い時間でも十分な注目を得ることで、他の時間帯でも子どもが落ち着けるようになります。ほかのきょうだいも、自分の順番が回ってくることがわかっていれば、この「特別な時間」に寛容になることができるようになります。
4. 私は子どもが遊んでいるのをいつも見ているのですが、なぜ一緒に「ウォッチ・ミー・プレイ!」をする必要があるのでしょうか?
「ウォッチ・ミー・プレイ!」は、5分から20分の短い時間でおこなう特別で、子どもの遊びを見ていることとは違うものです。子どもの遊びを見守っている間、あなたは子どもが何をしようとしているのかについて、子どもと一緒に話します。また、子どもに遊び方や、何をするべきか教えないようにします。そして、子どもから遊びに誘われるのを待ちます。さらに、遊んでいる間、子どもと一緒にいると、どのような気持ちになるのか気づくようにします。
そうすることで、子どもは自分の考えが大事なものであり、あなたにとっても興味深いものであると感じることができます。これは、子どもが学習するスキルを身につけるのに役立ちます。
5. なぜ子ども主導の遊びが発達に重要なのですか?
赤ちゃんや子ども主導のあそびは、子どものぞれぞれの発達段階で、養育者が子どもに波長を合わせるのに役立ちます。子どもが自由に遊べるように促すことで、あなたは子どもが想像力や、学習のスキルを身につける余裕(スペース)を与えてあげることになります。
生まれたときから、赤ちゃんはあなたと喜びに満ちた楽しい(プレイフルな)「会話」を始め、それはお互いを知ったり、楽しみを共有するのに役立ちます。あなたが赤ちゃんの表情に反応したり、赤ちゃんの出す音を繰り返したりすると、赤ちゃんはあなたが自分を見ていて、興味を持っているということを知ることができます。赤ちゃんにとって、「一本橋こちょこちょ」や、「げんこつ山のたぬきさん」、「お寺の和尚さん」のような楽しい遊びは、やりとりをすることを学ぶのに役立ちます。「いないいないばあ」や「かくれんぼ」の遊びは、見つけてもらうのを楽しむことができます。
子どもが学校に行くにためには、さまざまなスキルを身につける必要があります。順番でお こなうことや、次に何が起こるかを予測すること、誰かと一緒に何かをすることはすべて、将来の学習や人間関係に重要な意味を持ちます。探索的な遊びや、散らかすこと、おもちゃと道具のさまざまな方法を試すことは、子どもが自分の能力や協調性(coordination)に自信をもつのに役立ちます。
物語を演じる遊びは、子どもの創造力や言語能力、問題解決力を高めます。時には、子どもたちは同じ物語を何度も何度も繰り返します。そのとき、あなたが十分に注目してあげることが、子どもの助けになります。現実の出来事について話す必要はありません。遊びのなかで何が起こったのかを説明するだけでも、子どもは理解されたと感じることができます。
6. 子どもがじっと座っていられません。頻繁に立ち上がって走り回りますが、これは問題でしょうか?
子どもたちは、エネルギーを発散する必要があるのです。ウォッチ・ミー・プレイ!の時間中に立ち上がって動き回ってもかまいません。ただ座って冷静に見守り、子どもがしていることについて話すだけで、しばらくしたら遊びに戻ってくるかもしれません。赤ちゃんが、親密なふれあいや刺激的なふれあいの後に、静かな時間を過ごしたり、少し眠ったりして調節する必要があるように、子どもが興味を持つまでには時間が必要なのかもしれませんし、時々行ったり来たりする必要があるのかもしれません。
ウォッチ・ミー・プレイ!の時間の範囲内で、赤ちゃんや子どもが遊ぶ準備ができるまで、こちらは待っているということを伝えてあげると、子どもは安心します。
7. 子どもに何をするか選ばせると、何時間も同じことをしてしまいます。子どもの発達のための 何か新しいことを指示した方が良いのではないでしょうか?
子どもの遊びは、しばしば何度も何度も何度も同じことがおこなわれます。それはほんの少しの違いがあったり、完全に同じだったりします。繰り返しは、幼い子どもが、自分ができることや、物事の仕組みを学ぶ上で重要な役割を果たします。身体的スキルや協調運動についても、遊びを繰り返す中で養われていきます。
大人が一貫して愛情をもって応答することで、子どもは安心感を得ることができます。ウォッチ・ミー・プレイ!の間、新しいことをするように指示するのではなく、子どもが興味を持っていることにあなたが興味を持ち、一緒にいてあげられるということを、子どもに伝えるとよいでしょう。時間が経つにつれて、小さな変化が見え始め、子どもと子どもが興味を持っている対象への理解が深まるかもしれません。
繰り返しの多い遊びを見守るのは大変かもしれません:もし子どもの発達が心配だったり、ウォッチ・ミー・プレイ!を何週間か続けても子どもの遊びに変化がなかったりする場合は、子どもの遊びについて、ご家族や保健師、学校や保育園の先生など、子どもをよく知る他の大人に相談してみるのもよいでしょう。
8. うちの子は、おもちゃをただ投げるだけで、本当に遊びません。私は子どもに別の行動を教える必要はないのでしょうか?
子どもが安全に投げられる柔らかいおもちゃや、軽いプラスチック製のおもちゃを出しましょう。子どもがどのおもちゃを最初に手に取るかに気づいたら、それについて話をしましょう。おもちゃがどこに行くのか、それについて話をしましょう。子どもがどこを見ているかに注目し、それについて話をしましょう。子どもがやっていることについてあなたが話しているときに、子どもが何をしているか見てみましょう。外で遊べる場所があれば、洗面器やプラスチックのコップや容器を使って、子どもが水遊びが好きかどうかを見てみましょう。
ウォッチ・ミー・プレイ!の時間が終わる前に、子どもに十分な心の準備をさせましょう。終了時間の数分前に、子どもに終了時間を告げたり、一緒に歌を歌ったりして、次に何をするのか、いつまたウォッチ・ミー・プレイ!をするのかを教えてあげましょう。
ウォッチ・ミー・プレイ!の目的のひとつは、子どもが遊べるようになることです。子どもが新しいルーティンに慣れるには、少し時間がかかるかもしれません。親や養育者が一定の時間、子どもにすべての注目を向けることに慣れてくると、遊びや行動にポジティブな変化をしめす子どももいます。まずは、ウォッチ・ミー・プレイ!の時間を短くしてみて、そのうちに小さな変化が見られるかどうか試してみてください。
心配なことがある場合や、子どもの遊びを見守ることが難しい場合、子どもの遊びについて、ご家族や保健師、学校や保育園の先生など、子どものことをよく知っている他の大人に相談してみるのもよいでしょう。
9. うちの子の遊びはとても騒がしくて、時々少し攻撃的になります。人形を床に投げつけたり、 踏みつけたりすることもあります。止めるべきでしょうか?
子どもが人形を怒鳴ったり、踏みつけたりするのは、子どもがとても大きな感情を扱う方法を見つけたということです。赤ちゃんや幼児は、しばしば強い感情を持っています。赤ちゃんでさえ、怒ったりおもちゃを投げたりすることがあります。愛情深い感情や思考を持つように、攻撃的な感情や思考を持つことは普通のことです。たいていの子どもは、年齢が上がるにつれて、その感情の激しさが減っていきます。。遊びは、子どもが自分の考えや思いを表現し、安全に気持ちを表現する上でとても役に立ちます。
いろいろなドラマがあるかもしれませんが、遊びの中では誰も怪我をしません。子どもが安全に遊べるように、柔らかいおもちゃや軽いプラスチックのおもちゃを用意しましょう。遊びが他の子どもや大人を傷つけることに変わった場合は、冷静に制限しましょう。誰も傷つかない限り、子どもが遊んでいるときには彼らがしていることを受け入れ、遊びの中で起こることに興味を示し、話すようにしましょう。子どもがしていることについて話をした時に、子どもがどのような反応をするか気づくようにしましょう。子どもは、この遊びを何度も繰り返すかもしれません。子どもの遊びの中で、何か変わっていることにあなたが気づくには、時間がかかるかもしれません。
攻撃的に感じられる遊びを見守るのは辛いかもしれません。もし心配なことがあったり、ウォッチ・ミー・プレイ!を何週間か続けても子どもの遊びが変わらない場合は、子どもの遊びについて、子どもについてよく知っている他の大人(家族、保健師、かかりつけ医、学校や保育園の先生など)に話してみるのもよいでしょう。
10. 私の赤ちゃんはいつも抱いていないといけないんです。いつでも私に注目して欲しいんです!この子は、いつも私にしがみついています。ウォッチ・ミー・プレイ!をすることで、これがもっと悪化することはないのでしょうか?
あなたの子どもは、一時的には、さらにしがみつくことがあるかもしれませんが、多くの子どもはウォッチ・ミー・プレイ!を定期的に行うことで、以前よりも自分で遊べるようになります。大人が自分だけに注目してくれることで、子どもはより長い時間遊べるようになり、新しい遊び方をみつけることができるようになります。定期的に目を向けてもらうことで、子どもの集中力を養うことができるかもしれません。
ウォッチ・ミー・プレイ!の時間が終わる前に、子どもに十分な心の準備をさせましょう。終了時間の数分前に、子どもに終了時間を告げたり、一緒に歌を歌ったりして、次に何をするのか、いつまたウォッチ・ミー・プレイ!をするのかを教えてあげましょう。
それでも子どもがしがみつく状態が続いたり、遊ぶことができないようであれば、保健師やかかりつけ医、学校や保育園の先生にそうしたことを話してみるのもよいでしょう。
11. うちの子は1人で楽しそうに遊んでいます。ウォッチ・ミー・プレイ!のときに私が携帯でメッセージやメールをすることに問題はありますか?
たとえ短い時間であったとしても、あなたが自分にすべての注目をしてくれることは、子どもに大きな違いを生みます。ウォッチ・ミー・プレイ!の時間は5分から20分です。いろいろなことをしながら長時間子どもを見るよりも、たった5分でも、子どもだけに注目を向ける方がより良いです。
5分であろうと20分であろうと、あなたが集中して子どもを見守ることは、子どもにとって安心感につながり、集中力を高めるのに役立ちます。大人が待つことができることを示すと、子どもが待つことができるようになります。保育園や学校では、待つように言われることがたくさんあります。一緒にいるだけで楽しいと思えるときがあるということは、子どもにとって特別なことなのです。
12. テレビをつけながらウォッチ・ミー・プレイ!をすることはできますか?
ウォッチ・ミー・プレイ!では、子どもの遊びに集中します。そのためには、テレビを消し、画面を片付ける必要があります。乳幼児を持つ親のためのガイダンスでは、子どもと一緒に番組を見て、テレビを消した後にそれについて話すことを勧めています。
好きなテレビ番組を一緒に見ることは、親子にとって素敵な時間ですが、テレビがずっとつけっぱなしになっていると、子どもの発達に影響を与えるほどに、気が散ってしまいます。テレビがついていると、子どもの集中力は低下します。また、テレビがつけっぱなしになっていることで、子どもの様子に気づきにくなったり、サインを拾いにくくなったりします。
いつもテレビがついているのに慣れていた子どもは、テレビを消すと反発することが多いのですが、数日後には受けいれます。親や養育者が、特別な番組を見るときだけテレビをつけるようにしたところ、言語障害のある子どもとのコミュニケーションがより明確なものになったという研究結果が出ています。また、子どもと一緒にいて楽しいと感じる時間が増えたという研究結果もあります。
13. 私は、子どもが遊んでいることについて話すのは、ちょっとばからしいと思ってしまいます。それは自然じゃない気がします。私が見守っているとき、黙っているというのはどうですか?
最初は少しおかしな感じがするかもしれません。ですが、多くの養育者は、それにすぐに慣れて、赤ちゃんや子どもがより多くの音や単語を使って反応することに気がつきます。子どもの自信や言語の発達にとって、彼らがしていることをあなたが言葉にして話しているのを聞くことは、とても助けになります。
あなたがどうするか、子どもがどのように反応するかを見てください。ずっと話し続ける必要はありません。子どもが遊んでいるあいだ、静かに一緒にいることにお互いが慣れるための時間を残しておきましょう。
14. 子どもの遊びについて何か心配があるときには誰に話したらいいでしょうか?
子どもの遊びや発達について心配があるときには、家族や保健師、また例えば、かかりつけ医や看護師、ソーシャルワーカー、担当の保育士あるいは言語療法士といった子どものことをよく知っている専門家に話してみましょう。
子どもの心の中にあるかもしれないことを、関心のある他の大人に話すことによって、あなたは落ち着いて、子どものことをじっくりと考えることができるようになるでしょう。子どもの興味や好きなことについて、気づく上で役に立つでしょう。また、あなたが子どもとの遊びで気づいたことは、子どもにどのような特別なサポートが必要なのかを示すのにも役立つかもしれません。
15. 定期的にウォッチ・ミー・プレイ!をするとどんな結果が得られるのでしょうか?どれくらいでそのような変化がみられますか?
養育者の中には、ウォッチ・ミー・プレイ!が、養育者と赤ちゃんがお互いを知ることを助け、絆を深めるのに役立つと感じている人もいます。すぐに変化を感じる親もいれば、定期的にウォッチ・ミー・プレイ!を始めてか数週間後に変化を感じるという方もいます。 ウォッチ・ミー・プレイ!は、双方向のプロセスです。例えば、年長児の子どもの集中力、行動、発話に改善が見られる可能性があるかもしれませんし、子どもと一緒にいるのを、今までとは違う形で楽しめることに気づくかもしれません。子どもはより穏やかになり、時間とともに子どもが以前よりも情緒を共有できるようになったり、一人で遊ぶことができるようになったりするかもしれません。あなたは、2人が日中の静かな時間を共有できるようになってきていると感じるかもしれません。赤ちゃんと一緒にいることや、一緒に遊ぶことに集中する時間を設けることで、子どものサインを読み取ることについて、あなたは以前より自信を感じられるようになるでしょう。